- HOME>
- 血便・便潜血陽性
血便・便潜血陽性とは
血便とは
血便とは、口から肛門までを繋ぐ消化管からの出血が便に混じって排泄される状態です。明らかに出血している場合もあれば、トイレットペーパーに血が付着する程度の場合や、注意して見なければ気付かないケースもありますが、いずれも消化管に異常があるサインです。
このように色々な形で排泄される血便ですが、大きく分けて次の4種類があります。
- 鮮血便:鮮やかな赤色をした便
- タール便(黒色便):黒っぽい色をした便
- 暗赤便:赤黒い色をした便
- 粘血便:ベタベタとした粘液と血液が付着した便
便潜血陽性とは
血便が排泄されれば、一見して異常があることが見てとれます。しかし出血が微量な場合は、通常の便の色と変わらないことが多いため、なかなか異常に気づくことができません。この微量な出血の有無を確かめる検査が便潜血検査です。
この検査で陽性反応が出た場合を便潜血陽性と言い、見えないレベルの出血が便に混じっていることを示しています。
血便・便潜血陽性の原因となる病気とは
血便が見られたり、便潜血陽性の結果が出たりした場合は、以下のような消化管の病気にかかっている可能性があります。
大腸ポリープ
大腸内の粘膜が腫れることで生じる小さな腫瘍です。特定のタイプのポリープは大腸がんのリスクを増加させる可能性があります。
大腸炎
感染性腸炎や虚血性腸炎、クローン病や潰瘍性大腸炎などの病気が含まれます。これらの病気は、腸の内側に炎症を引き起こし、便中に血液を生じさせることがあります。
大腸がん
大腸や直腸で発生するがんの1種です。便中に血液を見つけることが大腸がんの初期の兆候となることがあります。
消化器系の潰瘍
胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの消化器系の潰瘍も、便中に血液を生じさせる可能性があります。
出血性疾患
出血性疾患(例えば血友病など)や血管異常(例えば血管腫など)も便中に血液を混ぜる原因となることがあります。
消化管の炎症や感染
消化管内の炎症や感染症、例えば赤痢やクロストリジウム・ディフィシル感染などが便中に血液をもたらす可能性があります。
血便・便潜血陽性だった場合の検査
これらの病気は自覚症状がない場合があるものの、放置しておくと命に関わる可能性があります。もちろん血便や便潜血陽性が見つかったからと言って必ずしも重大な病気が隠れているわけではありませんが、リスクを把握するためにも、できるだけ早い段階で精密検査を受けることをおすすめします。
クリニックや病院で受けられる検査には以下のようなものがあります。
血液検査
一般的な健康状態や貧血の有無、感染の有無、血液凝固異常などを評価するために行われます。
直腸診
医師が指で直腸内部を調べる検査です。肛門と直腸の間にある部分を調べることで、直腸周辺の異常を確認します。この検査では肛門や直腸にポリープや炎症の兆候を見つけることができます。
腹部超音波検査
超音波検査は、超音波を使って内部器官を観察する検査です。腹部超音波では、肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓、および大腸などの臓器の状態を調べることができます。
内視鏡検査(大腸カメラ検査)
大腸内部を詳細に観察するために行われる検査です。柔軟なチューブ状の内視鏡を挿入し、大腸の内部を観察します。この検査では、大腸ポリープ、大腸炎、大腸がんなどの診断において非常に信頼性の高い結果を得ることが可能です。
なお、当院でも大腸カメラ検査を受けていただくことができます。詳しい内容は「大腸カメラ」のページをご覧ください。