胃がん

胃がんとは?

胃がん

胃がんは、胃の粘膜の細胞ががん細胞化し、増殖していくことで発症するがん疾患です。胃がんは通常、次のように進行し、最終的には死に至る場合もあります。

初期段階

初期段階の胃がんには症状がほとんど現れません。この段階ではがんの細胞が胃の表面に限定されており、他の部位への広がりは少ない傾向にあります。

進行段階

進行段階に入ると、周囲の組織やリンパ節などへの転移が起こる可能性があります。この段階では、症状が明確になり、消化不良や、腹痛、吐血や体重減少などの症状が現れることがあります。

晩期段階

晩期になると、がん細胞は体内の他の部位に広がります。肝臓、肺、脳などへの転移が起こり、これにより体の機能が影響を受け、臓器の機能不全や栄養不足、貧血などの重篤な症状が現れることがあります。

胃がんの症状

胃がんの代表的な症状としては、以下のものが挙げられます。

  • 腹部の不快感や痛み
  • 胸焼け、吐き気
  • 食欲不振や体重減少
  • 嚥下障害(食事が飲み込みにくい) など

しかし一般的に、早期の胃がんでは自覚症状がほとんどありません。それだけではなく、かなり進行した後も症状が現れない場合もあります。そのため健康診断や、胃炎や胃・十二指腸潰瘍などの内視鏡検査の際に偶然見つかるというケースも少なくありません。

胃がんの原因

胃のがん細胞は、胃粘膜に何らかの刺激が加わることで発生すると考えられています。そのため、以下のような胃の刺激になる食べ物などは胃がんの原因になる可能性があります。

  • 高塩分食、または塩:加工肉、保存食品などを含む
  • 多量のアルコール:胃液中のアセトアルデヒドが発がん作用を持つため
  • 喫煙:胃酸の分泌促進、胃粘膜の血流低下を招くため
  • ピロリ菌:胃の粘膜の炎症を引き起こすため

こうした食べ物などに注意するとともに、野菜や果物を不足しないようにすることが、胃がんのリスク低減につながるとされています。

胃がんの検査

胃がんの検査には、以下のような方法があります。神戸市灘区・六甲の野本内科では、できる限りの検査を行った後、異常があった場合は直ちに提携病院に紹介し、より詳細な検査や適切な治療を受けていただける体制を整えています。体の不調があったり、家族に胃がんの病歴がある方がいたりして不安を感じている方は、お気軽にご相談ください。

※当院で実施していない検査につきましては、適切な専門機関をご紹介いたします

内視鏡検査(胃カメラ検査)

内視鏡検査は、胃の内部を直接見ることができるため、胃がんの検査としては最も一般的なものの1つです。必要に応じて生検(組織の一部を採り組織検査に出すこと)も行われることもあります。

なお当院では、長年胃カメラや大腸カメラによる検査に携わってきた医師が常駐しており、従来の内視鏡よりも苦痛の少ない経鼻内視鏡を使った検査を行っています。

超音波検査(エコー検査)

超音波検査は、音波を使って胃の内部の画像を作成する検査方法です。検査部位に機器を当てるだけの簡単な検査で、患者様の負担が少なくて済む点が大きな魅力です。

早期の胃がんをエコー検査で見つけるのは難しいものの、進行段階にある胃がんであれば発見できるため、患者様のご要望や状況に応じて実施します。当院でも超音波検査機器を導入し、適宜胃がんのエコー検査を実施しています。

X線検査(バリウム造影検査)

患者様にX線を通さないバリウムを飲んでいただき、その後X線を撮影して胃の状態を確認する検査です。

MRI・CT検査

胃以外の臓器やリンパ節にがん細胞が広がっていないかを確認するための検査です。

胃がんの治療

胃がんの治療方法には大きく手術療法、内視鏡治療、抗がん剤治療、放射線療法、対症療法があります。どの治療方法が選択されるかは、進行段階や患者様やそのご家族の状態によって異なります。

※当院で実施していない治療につきましては、適切な専門機関をご紹介いたします

手術療法

手術療法は、胃がんの初期段階や多臓器に拡がっていない症例に対して行われる治療方法です。主な手術方法には以下のものがあります。

全胃摘出

胃全体を切除する手術であり、周辺リンパ節も同時に取り除かれることがあります。この手術の後、食道と小腸を再接続する必要があります。

部分胃切除

胃の一部を切除する手術であり、腫瘍が胃の一部にとどまっている場合に行われます。残された胃を小腸と再接続することがあります。

内視鏡治療

内視鏡治療は、早期の胃がんに対して非常に効果的な治療方法です。主な内視鏡治療の方法には次のものがあります。

内視鏡的粘膜切除術(EMR)

がんの早期段階に選択される治療方法で、胃の表面から腫瘍を取り除く手法です。がんが拡がっていない症例で効果的です。

内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)

EMRよりも広範囲な病変を除去するための内視鏡手術法です。患部の粘膜下層を切除することで、大きな腫瘍や深達した病変にも対応できます。

抗がん剤治療

抗がん剤治療は、化学療法とも呼ばれ、がん細胞の増殖を抑制するために投与される薬物治療です。胃がん治療では以下のような方法があります。

術前化学療法

手術の前に行われ、腫瘍を小さくしたり手術の成功率を高めたりするために使用されることがあります。

術後補助化学療法

手術後にがんの再発を予防するために行われることがあります。

進行または再発胃がんの化学療法

がんが進行している場合や再発した場合に使用され、症状の緩和や寿命の延長を目的とします。

放射線療法

放射線療法は、高エネルギーの放射線をがん細胞に照射して破壊する治療方法ですが、胃がん治療では特殊な事例を除いてほとんど行われません。

対症療法

対症療法は、胃がんの症状を和らげるための治療です。例えば、疼痛管理、栄養補助、消化不良や嘔吐の軽減などが含まれます。患者様の生活の質を向上させることを目的としています。

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