肝硬変

肝硬変とは?

肝硬変

肝硬変は、肝臓が炎症や傷害を受け続け、その結果として正常な肝組織が瘢痕組織(繊維組織)に置き換わり、硬くなってしまう病気です。肝臓には本来以下の機能があります。

  • タンパク質の合成
  • 栄養の貯蔵
  • 体内に侵入した有害な物質の解毒・分解
  • 消化に使う胆汁の合成・分泌 など

しかしこの瘢痕組織が肝臓内で増えることで、これらの肝機能が低下すると、体内で様々な問題が生じます。

肝硬変は肝臓がまだ機能しており、ほとんど自覚症状のない代償期と、肝臓が機能不全を起こして自覚症状が明確になる非代償期に分かれます。非代償期に入ると、根本的な治療は難しくなるため、大切なのは早期発見・早期治療です。

したがって、定期的な健康診断を受けるとともに、少しでも不安や違和感がある場合は、できるだけ早い段階で医療機関を受診することをおすすめします。

当院の肝硬変の治療

神戸市灘区・六甲にある野本内科の院長・野本は、日本肝臓学会認定の肝臓専門医の資格を取得しています。そのため、専門的な知識と経験に基づいた検査・治療を行うことが可能です。

血液検査と腹部エコー検査、内視鏡検査による検査が可能で、治療についても当院での治療ができる場合は対応し、難しいと判断した場合はすぐに提携病院に紹介。より踏み込んだ検査や治療を受けていただくことが可能です。

肝硬変の症状

肝硬変は前述の通り初期症状が目立たない病気です。しかし重症化し、非代償期に入ると肝機能が低下し、次のような症状が現れる場合があります。

  • 白目が黄色くなる
  • 皮膚が黄色くなる
  • ウーロン茶の色の尿が出る
  • お腹が張る・腹痛
  • 膝から下のむくみが酷くなる
  • 吐血する
  • 昼夜逆転が治らない
  • 自分のいる場所が分からなくなる
  • 会話がうまくできなくなる
  • 尿や便の失禁を起こす
  • 首や前胸部、頬に赤い斑点ができる
  • 親指と小指の付け根が赤くなる
  • 手が震える
  • こむらがえりを起こす
  • 胸が女性のように膨らむ
  • 食欲不振
  • 体重減少
  • 疲れやすくなる
  • 倦怠感がある など

これらの症状が見られる場合は、早期に医師の診察を受け、適切な治療を開始することが大切です。

肝硬変の原因

肝硬変の原因は多岐にわたりますが、主な原因には以下のものが挙げられます。

肝炎ウイルス感染

B型肝炎ウイルス(HBV)やC型肝炎ウイルス(HCV)などのウイルス感染が肝硬変の主な原因の1つです。これらのウイルスは長期間体内に留まり、肝臓に持続的な損傷を与え、肝硬変を引き起こすことがあります。

アルコールの過剰摂取

長期間、大量のアルコールを摂取することは肝臓に大きな負担をかけ、肝硬変を引き起こす可能性があります。

脂肪肝

過剰な脂肪が肝臓に蓄積する脂肪肝は、肝硬変の原因となる可能性があります。特に肥満や高コレステロール、2型糖尿病などの生活習慣病を抱えている場合は、脂肪肝を引き起こすリスクが高まります。

自己免疫疾患

自己免疫性肝炎(AIH)や原発性胆汁性胆管炎(PBC)といった自己免疫性肝疾患は、肝硬変の原因となることがあります。

代謝異常疾患

鉄代謝異常が起きるヘモクロマトーシス、銅代謝異常が起きるウィルソン病も肝硬変の原因になる場合があります。

遺伝的な要因

一部の遺伝子変異や遺伝性の疾患が、肝硬変を引き起こすことがあります。

肝硬変の検査

肝硬変の主な検査は血液検査と画像検査です。以下ではこれらの検査を含めた、肝硬変が疑われる際に行われる検査を紹介します。

※当院で実施していない検査につきましては、適切な専門機関をご紹介いたします

血液検査

血液検査は、肝臓の機能や炎症の程度を評価するために行われます。AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)、ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)、アルブミン、ビリルビンなどの肝機能を示す数値が調べられます。当院でもこれらの数値を調べる検査を行うことが可能です。

画像検査

超音波検査(エコー検査)、CTスキャン、MRI(磁気共鳴画像法)などの画像診断が使用されます。これらの検査は、肝臓の大きさや形状、腫瘍の有無、腹水の有無などを評価するために行われます。当院ではこのうち、腹部への超音波検査(エコー検査)を通じて肝硬変の有無や進行度を調べることが可能です。

内視鏡検査

胃カメラや経皮的経腸的肝細胞生検(EUS-FNB)などの内視鏡検査では、肝臓や消化器系の内部を観察し、肝硬変の進行度の確認や原因の特定を行います。

肝生検

肝生検は、肝臓から小さな組織サンプルを取り出してより詳細な検査を行う方法です。肝硬変の原因特定、病変の程度や他の肝臓疾患の確認を行います。

肝硬変の治療

肝硬変の治療の目的は、進行を遅らせ、症状を緩和し、合併症を予防・管理することです。そのため原因や進行度、合併症などの個々の状況に応じた適切な治療を行うことが大切です。

※当院で実施していない治療につきましては、適切な専門機関をご紹介いたします

原因治療

肝硬変の原因に応じて、その原因を取り除くための治療が行われます。例えば、ウイルス性肝炎に対する抗ウイルス薬、アルコール依存症の治療、脂肪肝や生活習慣病に対する栄養指導などが行われます。

症状の管理

肝硬変によって引き起こされる症状(腹水、倦怠感、食欲不振など)の管理が行われます。例えば腹水がある場合は、利尿剤や食事管理によって腹水を減らすなどの処置をします。

合併症の予防・管理

肝硬変は食道静脈瘤や消化管出血など、様々な合併症を引き起こす可能性があります。肝硬変の治療では、こうした合併症の予防や管理のために薬物療法や内視鏡的な処置(食道静脈瘤の切除など)が行われます。

肝移植

肝硬変が進行し、他の治療方法で管理できない場合、肝臓の移植が選択肢に挙がる場合もあります。

電話番号

WEB予約初診の方へ