ドクターズインタビュー

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院長インタビュー

「長年通ってきてくださった患者様のために」

クリニックを受け継いだ理由

まずは医師を目指されたきっかけについて教えてください

父のクリニックを受け継いだ理由

一番大きかったのは、父の存在です。直接父の仕事を見る機会はありませんでしたが、身近に医師をしている人間がいたことで、子供ながらに興味を持ったのだと思います。一生をかけるに値する仕事だと感じました。

父が野本内科を開業したのが1994年で、ちょうど私が将来の進路を考える時期だったのも影響したのかもしれません。

野本内科を受け継ぐ前の経歴について教えてください

2003年に名古屋市立大学医学部を卒業して、京都大学医学部附属病院に研修医として勤めた後、兵庫県立塚口病院、兵庫県立尼崎病院を経て、兵庫県立尼崎総合医療センターに勤めました。診療科は消化器内科で、一貫して内視鏡を使った診療に打ち込んできました。尼崎総合医療センターでは消化器内科医長を任せていただきました。

やはり長年通われている患者様が多いのでしょうか?

やはり長年通われている患者様が多いのでしょうか?

そうですね。お住まいの地域もほぼご近所で、半径500mくらいの方が多いと思います。中には何十年も通ってくださっていて、今は通院が難しくなり訪問診療にうかがっている方もいらっしゃいます。

どういった症状の患者様が多いのでしょうか?

ご高齢の患者様が中心ということもあり、高血圧や糖尿病といった生活習慣病をお持ちの方が多いです。まずは無理のない範囲で取り入れられる食事療法や運動療法を実践して頂きながら、状況に応じて薬を使って症状をコントロールしてもらうという方針をとっています。

野本医院を受け継ぐにあたって

変えたもの・変えなかったもの

院長に就任したのはいつですか?

院長に就任したのはいつですか?

2023年の5月です。2020年に前の病院を辞め、そこから3年ほど一緒に手伝った後、正式に受け継いだという形です。と言っても父が完全に引退したというわけではありません。「父じゃないと」という患者様がいてくださるので、名誉院長として診療の一部を父が担当しています。

受け継ぐにあたって変えたもの、変えなかったものはありますか?

変えたのは設備、変えなかったのはクリニックとしての姿勢です。
機器類は古くなってきていたので、すべて新しいものに入れ換えました。レントゲンはデジタルのものに換えましたし、エコー、心電図も換えました。胃カメラ、大腸カメラは新しく導入しました。内装もきれいにリフォームしました。

一方で、地域のクリニックとして1人1人の患者様に向き合い、最善と思われる医療を一緒に考えるスタンスや、できる限りの診療を行った上で状況に応じて適切な医療機関と連携を取るという姿勢は、これからも続けていきたいと考えています。

1人の医師、1つのクリニックができることには限りがあります。検査をするにしても、治療をするにしても、当院のような規模のクリニックではどうしてもできないことが出てくるものです。病診連携を最大限に活用し、患者様にとって最善の結果になるようベストを尽くすことが大切と考えます。

「内視鏡検査をもっと気軽に受けてもらいたい」

これからの野本内科について

今後、どのような診療に力を入れていきたいと考えていますか?

今後、どのような診療に力を入れていきたいと考えていますか?

内視鏡検査と訪問診療です。

内視鏡検査は他の検査に比べると費用がかかる上、胃カメラ検査にせよ、大腸カメラ検査にせよ、苦しいというイメージが先行しているためか、受けたがらない方が多いのが現状です。

しかし胃がんや大腸がんといった病気は、初期段階ではほとんど症状がなく、知らない間に進行していきます。胃がんならタール便(黒色便)や吐血、大腸がんなら血便や便の狭小化(※細くなること)といった症状が現れた頃には、病気はかなり進行していて大変なことになっているというケースはたくさんあります。

「定期的に健康診断を受けている」という方でも安心はできません。なぜなら通常の検査ではがんを見つけられない場合も多いからです。これに対して内視鏡検査であれば、直接胃や腸にカメラを入れて中の様子を観察したり組織を一部採取して顕微鏡で観察したりできるので、初期段階のがんでも発見できる確率が高くなります。

昔はがんと言えば不治の病のような扱いを受けていましたが、今では早期に適切な治療ができれば治る病気というのが一般的な見解です。初期段階の胃がんや大腸がんであれば、内視鏡に取り付けた専用の器具で切除するだけで治ってしまう場合もあります。

がん以外の消化器疾患においても、内視鏡検査というのは診断における信頼性が高く、患者様の現在の健康状態を調べるには非常に有益な検査です。だからこそ、当院の患者様にももっと気軽に受けていただければ、と思っています。

胃カメラを新しく導入したということでしたが、どのような機器を?

経鼻内視鏡を導入しました。

一般的な胃カメラのイメージは、口から胃に向かって挿入していく経口内視鏡です。経口内視鏡にも明るい視野を確保しやすいなどのメリットがあるのですが、舌の付け根にファイバースコープのチューブが当たってしまうので、どうしても嘔吐反射(えずき)が出やすくなります。そのために鎮静剤を使うわけですが、検査後に1~2時間は休憩してもらう必要がありますし、車や自転車の運転の禁止など行動制限も必要です。

一方で経鼻内視鏡は鼻を経由して胃に向かうので、舌の付け根にファイバースコープが当たりません。そのため嘔吐反射も少なく、かつ検査中に自分の胃の中を見ながら医師とコミュニケーションをとることもできます。鎮静剤を打たないので検査後の休憩時間も短くなりますし、行動制限も少なくて済みます。しかも今回導入した経鼻内視鏡は、従来の経鼻内視鏡の視野の暗さ、解像度の低さを克服したハイビジョン対応の機種なので、きれいな画像で診断をすることが可能です。

もちろん恐怖心の強い患者様には鎮静下での検査も可能です。

「訪問診療は、できる限りの範囲で継続・拡大していきたい」

地域医療の一員としての責任

訪問診療については、どのような体制で行っているのですか?

現在、私が1人で行っています。診療内容としては血液検査と問診、診察、投薬です。発熱があるようでしたら新型コロナウイルス感染症などの検査も行います。訪問診療をご利用いただいている患者様は、日常生活の動作が難しい方や胃ろう(※チューブを通じて直接胃に栄養を注入する医療措置)を受けられている方などです。施設入所中の方をまとめて診させていただくこともあります。

現在は車もバイクもなく、基本的には徒歩で訪問している上、スタッフも少ないのでどうしてもできることには限界があります。ですから、訪問診療センターなどが行っているような365日24時間体制も難しいのが現状です。

しかし今後日本が超高齢化社会になっていくとともに、現在の国の病床削減方針(※医療費削減のため、全国の病院・クリニックのベッド数を減らす政策)が続けば、在宅医療の重要性はどんどん高まっていくと思われます。可能な範囲で訪問診療は継続・拡大していきたいと考えています。

これまでも、これからの30年も30年も

地域の健康を支えるクリニックとして

最後に、このホームページをご覧の方にメッセージをお願いします。

些細なことでも構いません。心配なことがあったら、相談だけでも来ていただけたらと思います。胃がんや大腸がんをはじめとして、多くの病気は早期発見・早期治療が大切です。そのためには明らかな症状がなくても、定期的に病院やクリニックで検査をするなり、診察を受けるなりして、異常や兆候がないかを確認しておくことが最も効果的です。

野本内科はもうすぐ開業から30年を迎えますが、次の30年も地域に根ざしたクリニックとして、近隣の方々の健康を支えていきたいと考えています。ぜひお気軽にご利用ください。

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