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日帰り大腸ポリープ切除とは?
日帰り大腸ポリープ切除は、簡単な手順で大腸内にあるポリープを取り除く治療方法です。従来の大腸ポリープ切除は1泊2日~2泊3日程度の入院が必要な施術でしたが、近年は医療技術の向上により、術後にすぐご帰宅いただけるようになったのです。
大腸ポリープとは?
大腸ポリープは、大腸内の粘膜から突き出た小さな腫瘍です。腫瘍性ポリープと非腫瘍性ポリープの2種類があり、前者には腺腫やがん、後者には過形成性ポリープや炎症性ポリープなどが含まれます。
大腸ポリープが発生する主な原因は加齢と生活習慣です。高カロリー食、加工肉や赤肉の過剰摂取、過度の飲酒や喫煙などが積み重なると、ポリープが発生しやすくなると考えられています。
大腸ポリープはいずれの種類の場合でも、小さいうちは自覚症状がほとんどありません。しかし放置していると肥大化し、腹痛、便秘、出血といった症状が現れるほか、大腸がんに進展する可能性があるため、適宜切除を行う必要があります。
大腸ポリープの切除方法
大腸ポリープの切除方法にはいくつかの手法があります。以下では代表的な3つの切除方法について紹介します。
ポリペクトミー(HSP:hotsnare polypectomy)
ホットスネアと呼ばれる高温のワイヤーループを使用してポリープを切除する方法です。ポリープをワイヤーループで包み、同時に高周波電流を流して切除します。手順が比較的簡単で、迅速にポリープを除去でき、出血や合併症のリスクが比較的低い手法ですが、大きなポリープや厚みのあるポリープの場合、完全に切除できない場合があります。
コールドポリペクトミー(CFP/CSP:coldforceps/snare polypetomy)
ホットスネアとは異なり、熱を使わずにポリープを切除する方法です。コールドフォースプス(冷たいピンセット)やスネア(ワイヤーループ)を使用します。小さなポリープを取り除くのに適しており、出血や合併症のリスクが低く、手術時間も比較的短く済ませることが可能です。一方で、大きなポリープの場合は完全な切除が難しい点と、比較的再発のリスクが高くなる傾向があるという点がデメリットとされています。
内視鏡的粘膜切除術(EMR;endoscopic mucosal resection)
大きなポリープや表面が広いポリープを取り除くための方法で、特殊なワイヤーループを使用して行います。ポリープがある部分の粘膜を切除することで、ポリープを全体的に取り除きます。大きなポリープでも効果的に切除でき、完全な除去が可能であるため、再発率が低い傾向にあります。ただし、出血や穿孔(腸の壁に穴が開くこと)などの合併症のリスクが他の方法に比べてやや高い側面があるため、より専門的な技術や経験が求められる場合があります。
当院の日帰り大腸ポリープ切除
神戸市灘区・六甲の野本内科では上記の3つの切除方法のうち、熱を使わずにポリープを切除するコールドポリペクトミーを行っています。
また、この手法は前述の通り大きなポリープを切除した場合の再発リスクが高い傾向にあるため、当院では直径1cm以下の小さな大腸ポリープの切除のみに対応しています。
そのため、大腸カメラによる検査の結果、直径1cmよりも大きな大腸ポリープが見つかったり、がんのリスクが疑われるものや出血があるものが見つかったりした場合は、患者様にその旨を伝えた上で、より専門的な処置を行うことができる提携病院を紹介しています。
切除を受けた場合の注意点
大腸ポリープ切除は痛みがなく、患部も目に見えませんが、あくまで手術です。日帰りで済むからと言って、軽く考えすぎると思わぬ合併症を引き起こすリスクがあります。そのため、切除を受けた場合は以下のような点に注意する必要があります。
- 飲酒の禁止(1週間程度)
- 腹部に圧力がかかる作業等の禁止(1週間程度)
- 長時間の移動を伴う旅行や出張の禁止(1週間程度) など
飲酒、腹部に圧力がかかる作業等を禁止するのは、患部に負担をかけないためです。旅行や出張は一見合併症と無関係に思えますが、車や新幹線、飛行機などでの移動中に緊急事態が生じた場合、適切な治療が行えない可能性があるため、1週間程度は控えるのが安全です。
この他にも、切除当日は消化の良いものを食べるよう心がけたり、出血予防の内服薬を飲んだりと、いくつかの注意点があります。施術後の医師の説明をよく聞き、従うようにしてください。